帯広市で根本的な歯科治療をご希望の方は白樺こまどり公園松橋歯科クリニック

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活動報告

2011.11.16(Wed)

噛む危険性~噛むことをあおる現代社会のリスク~

噛めば噛むほど健康になるという内容のTV番組や雑誌の記事をよく目にします。また、最近では長時間噛んでも味が長持ちするガムのCMなども見られます。噛むことを推奨する今日ですが、では、噛むことのメリットとは何でしょうか? よく言われることは、1)唾液が出るので虫歯菌を抑制する。2)唾液中の酵素が消化を促進する。3)肥満予防につながる。 4)発音・発声が良くなる。 5)顎の血流量が多なり脳の活性化につながる。 6)顎の成長・発達につながる。 おおよそ以上です。これらが盛んに噛むことを推奨する理由です。
しかしながら上記の項目は事実ですが、噛むことが歯や歯茎、さらには骨の保存に対して有効である理由にはなりません。
ここで、歯と骨について基本的な説明をしておきます。歯は生涯減る続けていく器官であり、わずかな表層を除き二度と再生しません。歯の根にヒビが入ると抜歯となるケースも多くあります。また、歯を支える骨(歯槽骨)は、噛む力が強い場合や噛み続ける時間が長い場合には、破骨細胞とマクロファージ等の作用により、骨自体が溶けてしまう性質を持っています。歯科医師であれば誰でも知っていることですが、歯ぎしり・食いしばりは、歯や骨にとって非常に危険な行為なのです。健康で支えれる歯や骨があれば、まだある程度耐えれるかもしれませんが、歯周病(骨が溶ける病気)や虫歯治療の経歴(金属の被せ物・ブリッジ)がある方は、耐久性の低い口腔構造であるのです。ガムを噛み続けるだけで、歯が欠けたり、ヒビが入ったり、骨が減ったりと、歯を失う危険性が高まる場合があります。一例ですが、取り外す入れ歯に比べてインプラントは良く噛めます。しかし、噛み過ぎるとインプラント周囲の骨が溶けてなくなります。
個人差の激しい口腔内環境に対して、その行為が本当に有効か否かは、多面的に判断しなければ分からないことです。
腰の悪い方が、健康になろうとして重量挙げの練習をするでしょうか?
膝の悪い方が、フルマラソンの練習をするでしょうか?
生活習慣病と同様に、体の構造の限界を超えない食生活をご自身で管理しましょう。厚労省の歯科疾患実態調査でデータが公表されています。日本人の歯周病と虫歯の罹患率から見ても、噛めば噛むほど歯と骨は減ってしまう方が圧倒的に多いと推察できます。論文ベースの見解ではありませんが、私の診療上の経験則にも合致します。企業のCMやTV向けの好奇心をそそる番組には、特に注意が必要であると言えます。周知ではありますが、使い過ぎと手入れ不足が悪化を早めます。過ぎたるは及ばざるがごとしです。写真は旧中山道の馬籠宿です。今日でもしっかりと保存されており観光客が後を絶ちません。古くても使い方、お手入れ次第です。

余談ですが、噛むことの危険性を認識せずに病気になり、私のクリニックを訪れる方が非常に多いのが現状です。歯に良いとされるガムの成分は有効であっても、ガムの性状に危険性があります。一般のスーパーやコンビニのみならず歯科医院の受付でも購入できる物ですが、ガムを噛む事に耐えれる体を持っている方はごくわずかです。勿論、私のクリニックでは販売しておりません(処方するくらいの物であると考えるからです)。可哀想なのは何も知らされずに噛み続け、後日に患者となってしまう多くの方です。誰が利益を得ているのでしょうか? 誰が不利益を被っているのでしょうか? 取り返しの付かないご自身の体です。大切に生きましょう。

ポイント:噛み過ぎ=病気の元 噛む=健康ではありません。

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